学校の可能性は子どもの可能性、引き出すのは大人の可能性

 



12ヶ月の未来図」を観ました。
「こどもしょくどう」を観た時の予告で知って、絶対観たいと思ったやつ。
学校教育の映画です。
パリのエリート校に勤務するベテラン教師が、
郊外の教育困難校に赴任することになり、
そこで奮闘する一年間を描く物語。
郊外の学校では、
移民、貧困、学力低下などの背景から、
エリート校での教育方法が全然通用しない。
日本で言ったら、学級崩壊の状態。
主人公は最初、
権威で押さえつけようとするんだけど、
それはちっともうまくいかない。
あれこれ試行錯誤する中で、
クラスの問題児に初めて向き合って気づきを得る。

 

「なんで頑張ってもできないと思うのか」って質問に、

「僕はバカだから」って答えが返ってきてハッとしたの。

 

 

もうハナから諦めちゃってる。

自分の可能性なんて全然信じてない。

 

 

自身はエリートだったがゆえに無縁だった感情。

そんな彼に家族が「学習性無力感」について教えてくれた。

 

 

水槽の真ん中にガラス板で仕切りをして、

片方にカマス、片方に餌となる小魚を入れると

カマスは小魚を食べようとして何度もガラス板にぶつかるから、

しまいには小魚を捕ることを諦めてしまい、

ひとたびそうなると、

ガラス板を外しても小魚を捕ろうとしないっていう実験があるらしい。

 

自分には小魚を捕ることはできないって

「学習」してしまったわけだ。

 

 

勉強が苦手な子は陥りやすいよね。

 

 

「できない」が続くと、

本人も周りも「できない」前提で見てしまう。

 

実際に「できない」が続くと、

本来できる力があることまで

できないと思って諦めてしまうっていう

アナグラムの実験ってのも紹介されてたけど、

実験だからじゃなくて

日常的にそういうこと、いっぱいありそう。

 

 

 

主人公はこの実験を目の当たりにして、

生徒への関わり方をぐるっと転換させた。

 

 

 

子どもたちの興味に訴えること

子どもたちの能力に合わせた課題で、成功体験を積ませること

疑うことをやめること

励まし続けること

 

 

 

どの子にも力はあるんだと信じるってことだと思うんだけど、

それに勝る教育法って何ひとつないなと思う。

 

 

周りから信じてもらうことで、

子どもも自信を持つことができ、

それがチャレンジする勇気になる。

結果がどうであれ、受け止めて労う。

そしたら安心して、また次のチャレンジができる。

 

 

自分を信じること

人を信じること

 

この力さえあれば、人は生きていける。

 

それを育むのが教育なんだなと改めて思った。

 

 

私は学校がなくなってほしいって思ってなくて。

学校が本来の目的に立ち返れば、

学校での学びって得るものも大きいと思っている。

 

人は人との間でしか生きていけないから、

多様な人々(子どもも大人も含めて)と、

ある一定のルールに基づいて生活することや

その中から自分の個性や他者の多様性を学ぶことって

めちゃくちゃ意味があると思っている。

 

今は学校自体が現代社会の多様性についてってないだけ。

新しい時代の新しいあり方を模索している時期だろう。

 

スクールソーシャルワーカーもその一環だと思う。

「指導」だけじゃなくて「支援」が必要な子もいるねって、

対応の選択肢が広がったんだよね。

 

 

 

話がそれたけど、

子どもたちの可能性と未来への希望に胸があたたかくなる素敵な映画でした。

 

 

たくさんの先生が観てくれたらいいのにって思ったラブラブ

 

もちろん先生じゃない人にもおすすめ。

子育てのヒントにもなるよ。