許す気持ちのその前に

 

小学生の男の子のママから相談いただきました。

 

昨年、息子さんが同級生から叩かれるという

エピソードがあったそう。

 

息子さんは、いまでも

そのことがどうしても許せないんだって。

 

だから、ちゃんと謝ってほしいし、

ちゃんと先生や親に叱られてほしい。

 

ママとしては、

「許すこともだいじだよ」って話したりするけど

それがちゃんと伝わっている感じはしなくて

どうやって向き合ったらいいのか悩んでいる。

 

 

人の気持ちって、簡単にはなくならないと思う。

だから出して消化(昇華)させるのが

本当に大事なんだろうなあって思う。

おとなでも子どもでも。

 

 

息子さんは、

叩かれたとき、

どんだけ痛かったか

どんだけ悔しかったか

どんだけ悲しかったか

それをわかってほしいし、受け止めてほしい。

 

なかなか本人の気が済むまで

その気持ちを伝えて

受け止めてもらう機会が

十分になかったんだろうね。

 

 

人は自分の気持ちをわかってほしいとき、

それが満たされないままで

相手の気持ちを受け止めるのは難しい。

ましてや、小さな子どもならなおさら。

 

だから、

「許す気持ちもだいじ」っていう

ママの言葉が今は届かないんだろうな。

 

 

今になって相手に伝えるかどうかは

いったん横に置いておいて、

まずはおうちで

本人が出し切れていない気持ちを

出させてあげるといいのではと話すと、

止めずに出させてしまうと

その気持ちがエスカレートするのではと

心配な気持ちもあるとのこと。

 

でも、出さなくてもなくならないから

本人はいましんどくて

友達とのトラブルが頻発している。

 

出して手放すほうが

ないことにしようと無理して

変なふうに出ちゃうより

よっぽど健全じゃないだろうか。

 

というようなことを伝えたら、

やってみますとのことでした。

 

 

学校では、こういう場合、

事実確認したうえで、

手を出した方が謝る

謝られた方は許す

という対応になることが多い気がする。

 

でも、

どちらの子どもにも

その子なりの気持ちがある。

 

手を出した方には出した理由が

本人なりにあるわけだし、

謝られた方も謝られたからと言って

すぐに許す気持ちにならないこともある。

 

 

謝るとか許すって強制されるものではなく

自発的にしたくなって

はじめて意味があるもの。

 

それは、やっぱり

自分の気持ちを誰かに

分かってもらえた

受けとめてもらえた

っていう安心感や満足感があった

その先にしか沸いてこないもの。

 

 

まず聞く。

とことん聞く。

 

ただそれだけで解決することって

意外と多いんじゃないかなと思います(^^)