成長・発達

 

発達凸凹のある生徒さんの支援について

先生と話し合っていた時の話。

   

担任の先生はとても熱心な方で 

本人の将来について案じてくれている。

 

 

だからこそなのだけど、 

「彼にも成長してほしい」という思いが

とっても強い。

 

 

本人は人の気持ちをくみ取るとか 

みんなと協調するとか苦手。

 

感覚過敏でこだわりも強いので 

基本的生活習慣にも支障あり。

 

 

で、大人たちは、 

このままでは将来困るのではと案じ、

挨拶くらいできるようにとか

お風呂はちゃんと入ってほしいとか

クラスメイトとも話せるようにとか

そういうことを求めたくなってしまう。

 

  

だから、今までの成長過程の中で 

怒られたり、文句言われたり、

いっぱいしたのだろう。

諦められて放っておかれたりも

したのかもしれない。

 

自分や人に対する基本的信頼感が低く、 

緊張や不安から身体症状も出ている。

 

 

この状態の彼に、まずできることって、 

そのままで大丈夫っていう安心安全の提供。

楽しい、心地いい時間を増やす。

  

そのうえで、本人から意欲が出てくれば、 

その意欲の方向にそって

必要なサポートをしてあげる。

  

その結果が成長であり、発達であると思う。

 

 

成長や発達っていいことだし 

必要なことだからこそ、

「させなくちゃ」が出てしまいがち。

しかもまったくの善意で。

  

でも、本人の中から湧いてくる 

「こうしたい」「こうなりたい」のパワーなしで

成長や発達ってあり得ないと思うし、

周りが勝手に求めすぎてしまうことが 

本人のしんどさの原因になることがある。

 

 

いつも本人のペースで。 

いつも本人のタイミングで。

 

 

 

  

この先生はとっても素敵な方で 

いろいろ話しているうちに

「必要最低限のことだけに絞ろうと思ったら

もう何も指導しなくていいような気がしてきた」 

って、笑ってた。

 

 

そうなんだよな、きっと。 

みんなそのままでいいんだな。