素敵な絵本と素敵な先生

 

先日、普段勤務している高校の先生向け現職研修で

お話をさせていただきました。

 

昨年に引き続き、2回目の機会だったのですが、

今回は「ソーシャルワークの価値」というお題で

ソーシャルワークの土台の価値観の話をしました。

 

 

その中で、

自分のトリセツを作るといいという話をしました。

 

みんなが、自分の好きや得意を活かして

他の誰かの嫌いや苦手をサポートできるように、

お互いがお互いの好き嫌いや得意や苦手を

自覚したり、オープンに伝えたりするツールとして

トリセツがオススメですっていう話。

 

実際にはもう少しソーシャルワーク的に、

自立って自分で何でもできることではなくて

助けてって頼れる力と誰かの役に立てる力を

両方を発揮できることっていう話とか、

「共生社会」ってこういう社会のことですよって話した。

 

 

そしたら、研修後に、ある先生が質問してくれた。

 

トリセツ作ってみたいけど、

今の子たちは、自分の得意も苦手もわからなかったり、

自信もって言えなかったりする気もするけど、

どうしたらいいだろうって。

 

…確かに。

 

得意を自信もって言うのも苦手だし、

苦手を恥ずかしがらずに言うのも苦手な子多そう。

 

 

どんな方法がいいだろうねえって話してたら、

横から別の先生が話に加わってくれて、

この絵本がヒントになるかもって紹介してくれた。

 

 

ロボットに自分のニセモノ役をさせるために

自分ってどんな人間かってことを

一生懸命考えてロボットに伝えるの。

 

名前や年齢、身長、体重からはじまって、

からだの特徴

好きなもの、嫌いなもの

できること、できないこと

なんかを伝えるの。

 

自分ってどんな人間なんだろうって、

どうやって考えるといいのかわかりやすいし、

くすって笑えるような「好きなもの」や「できないこと」が

それもこれも自分ってことでOKなんだなって

思わせてくれる雰囲気が素晴らしい。

 

しかも、いろんな場面、いろんな立場で

いろんな顔の自分がいることとか、

自分の外側とは別に自分しか知らない

自分の内側の世界があることとか、

自分と向き合うために必要な要素が

みんな詰まってて、すごく深い!

 

そして、オチもいい!!

そうだよね、だって自分って自分だけだもんね。

 

もう、ほんとに素敵な絵本だった。

 

 

この作者さんの絵本は前にも他の先生から

別の絵本を紹介されたことがあって。

 

 

こちらも多様性を学ぶのにぴったりの

素敵な絵本です。

 

 

絵本も素敵なんだけど、

こちらが投げたボールに反応して、

もっと素晴らしいボールを投げ返してくれる

先生たちが素敵だなあと思う。

 

研修やらせてもらった甲斐がある。

 

 

こういうやり取りの積み重ねが

学校が子どもにとって、より安心安全な場に

近づいていくことに繋がるのだと思う。

 

 

学校がすべての子どもと大人にとって

より心地よい価値ある場所でありますように。