学校に行けなかった若者が語る会

 

連休最終日に「学校に行けなかった若者が語る会」に参加。

 

これは、愛知県教育委員会生涯学習課主催のイベント。

愛知県では、生涯学習課が「若者・外国人未来応援事業」として、高卒認定試験合格に向けた無料学習支援と外国人対象の日本語教室を実施しています。

 

今回のイベントは、この学習支援の利用経験者と、豊橋市で当事業を受託している「NPO法人いまから」の別事業を利用されているニート・引きこもり・精神科薬物療法経験者の方々から体験談をお聞きするトークセッションでした。

 

今や高校進学率は98.8%と、ほとんど義務教育のような存在。

社会に出ていくにあたり、高卒資格くらいないと…ということで、高校進学するわけだけど、卒業するのは簡単ではない。

 

小中学校みたいに保健室登校とか基本的にはNGだし、そもそも授業に出ないことには、すぐに時間数が切れて単位を落としてしまうので、小中学校時代に不登校を経験している子どもたちにとっては、ハードルの高い環境。

 

かといって、何かの資格を取ったり、職に就いたりするにあたり、高卒資格は重要。

 

…という状況での、この学習支援事業は本当に大切!

なにより無料で利用できるのが素晴らしい。

家庭環境が複雑だったり、貧困問題を抱えている子も少なくないので、塾があるからいいってことにはならないのだ。

 

語る会で話をしてくれた子たちは、それこそ中学時代から引きこもりの子と、高校在学中に妊娠出産のため中退したが、出産後、看護師になるために勉強を再開した子でした。

 

学校でどのような支援ができるかを考えることが大前提ではあるけれど、学校だけでは支えきれない部分を別の事業が担ってくれる仕組みは心強い。

 

事業を必要とする子どもたちに、確実に情報を伝えていくことがSSWとしては大切!!

 

ニート・引きこもり・精神科薬物療法の経験者の話もとても生々しく、体験した方でないとわからない思いをたくさん聞かせてもらうことができ、勉強になりました。

 

すべての方に共通していたのが、家族との関係性の不調和。

特に過干渉が多いかなと思った。

 

摂食障害の方は、親から言われて一番つらかったのは「とにかく食べて」だと言うし、引きこもりの方が自室にこもる原因は、親からあれこれ言われるのが嫌で顔を合わせたくないからだと言う。

 

いまから代表の方は、回復の必須条件は「親切第一」って。

「しんせつ」じゃないよ、「おやきり」だよ!

 

これって、心屋と一緒!!

「お母さんを見捨ててもいい」「自分だけ幸せになってもいい」って思えるかどうか。

 

代表の方も「うるせえ、クソババア」と言えるようになったら大丈夫って言ってた。

 

そして、学校をはじめ支援者に求められることは、やはり、まずは本人の思いを聞くこと。

本人の意志の上に積むことが支援の基本。

 

本人がやりたい、好きなことがあることの大切さ。

子どもに任せる気持ちが待つ。

小さな「できた」体験を増やしていく。

 

子どもたちが、気にかけてもらえていると思えること。

あたたかい居場所があること。いろんな大人を見て知る機会があること。

そんなことが大切だよねって、結局結論はいつも同じ。

原点にかえる研修会でした。

 

「若者・外国人未来応援事業」は豊橋市のほか、名古屋市・豊田市で実施されています。

まわりに必要な子がいたら、ぜひ情報を届けてあげてください。